「相続税申告が必要なら、節税と少ない報酬で済ませたい。」 とお考えの方に、相続税の計算方法と税理士報酬額をお教えします。ご相談、ご依頼は電話・メール・郵送で可能です。
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相続税の計算の方法をご説明します。
1 相続税の課税価格の求め方
まず、遺産額に「相続時精算課税贈与」が過去に有れば加算し、合計額から「債務」と「葬式費用」を控除して「純資産価格」を計算します。
遺産額+相続時精算課税贈与 - 債務・葬式費用 = 純資産価格
次に、相続日から遡って3年以内の相続人への贈与があれば加算した後、千円未満を切り捨てて「課税価格」を計算します。
(令和6年以降は3年加算が1年づつ増えて最終7年加算になります)
純資産価格 + 3年以内の相続人への贈与 = 課税価格
純資産価格 +
3年以内の相続人への贈与
= 課税価格
「課税価格」から「基礎控除額」を控除してマイナスになると申告は不要です。
マイナスになれば申告の手続きはしなくていいですよ。
2 基礎控除額の計算
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
基礎控除額 = 3,000万円
+ 600万円 × 法定相続人の数
法定相続人とは-
配偶者はいつも含まれます。
子がいると子も含まれます。
子が亡い時は孫が含まれます。
子がいないと親も含まれます。
親がいないと兄弟姉妹も含まれます。
兄弟姉妹が亡い時はその子が含まれます。
課税価格 - 基礎控除額 = 課税遺産総額
課税価格 - 基礎控除額
= 課税遺産総額
この「課税遺産総額」から相続税人全員の「相続税総額」を次に計算します。
「課税遺産総額」は「相続税総額」を計算する時の用語です。
3 相続税総額の計算
「課税遺産総額」を各相続人の「法定相続分」に分けます。
法定相続分とは-
配偶者と子の時は配偶者1/2、子が1/2
配偶者と親の時は配偶者2/3、親が1/3
配偶者と兄弟姉妹の時は配偶者3/4、兄弟姉妹が1/4
分けた金額を次掲の表に従い、次の計算式に当てはめて税額計算をします。
分けた金額 × 税率 - 控除額 = 税額
分けた金額 × 税率
- 控除額 = 税額
法定相続分金額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
各相続人の税額を合計すると「相続税総額」になります。
計算にちょっと手間がかかります。
[例]「遺産額」から「債務と葬式費用」を引いた「純資産価格」が8,000万円で、相続人が配偶者と子2人の場合の「相続税総額」を計算してみましょう。
3年以内贈与はないとしますと、「課税価格」は8,000万円になります。
「基礎控除額」は、
3,000万円 + 600万円 × 3 = 4,800万円 です。
3,000万円 + 600万円 ×3
= 4,800万円 です。
「課税遺産総額」は、
8,000万円 - 4,800万円 = 3,200万円 です。
税額計算は次のようになります。
配偶者法定相続分
3,200万円 × 1/2 = 1,600万円
配偶者の税額
1,600万円 × 15% - 50万円 = 190万円
子1人の法定相続分
3,200万円 × 1/2 × 1/2 = 800万円
子1人の税額
800万円 × 10% = 80万円
子1人の法定相続分
3,200万円 × 1/2 × 1/2
= 800万円
子1人の税額
800万円 × 10% = 80万円
「相続税総額」は、
190万円 + 80万円 × 2 = 350万円 になります。
190万円 + 80万円 × 2
= 350万円 になります。
4 各相続人の税額
各相続人の税額は、「遺言書」や「遺産分割協議書」によって決められた、各相続人の「課税価格」の割合で負担するように計算します。
相続税総額 × 各相続人の課税価格/合計課税価格 = 各相続人の税額
相続税総額 × 各相続人の課税価格/合計課税価格
= 各相続人の税額
5 税額控除
各人の税額から「税額控除」できる場合があります。
主な税額控除は次の通りです。
「贈与税額控除」
加算された贈与に賦課された税額を控除します。
「配偶者の税額軽減額」
配偶者は課税価格1億6千万円か合計課税価格の1/2まで税額が算出されないようになっています。
「未成年者控除」
18歳未満の相続人は18歳までの年数×10万円を控除できます。引ききれない場合には他の扶養義務者からも控除できます。
「障害者控除」
障害者は85歳になるまでの年数×10万円を控除できます。
特別障害者は年数×20万円を控除できます。引ききれない場合には他の扶養義務者からも控除できます。
扶養義務者には、配偶者、親、子、ご兄弟も含まれます。
[例]「課税価格」が8,000万円で、配偶者と子2人の分割協議が「課税価格」の4/5、1/10、1/10で成立したとすると、各相続人の「納付税額」は次のようになります。
配偶者の「納付税額」は次のようになります。
税額控除前の税額
350万円 × 4/5 = 280万円
配偶者の税額軽減額
配偶者の「課税価格」が1億6千万円以下なので、
280万円
配偶者の「納付税額」
280万円 - 280万円 = 0円
子1人の「納付税額」は、該当する税額控除がないとすると、
350万円 × 1/5 = 70万円
子2人共税額控除がないとすると、相続人合計の「納付税額」は、
0円 + 70万円 × 2 = 140万円
配偶者は税額軽減額を控除できるため、配偶者が多くなるように遺産を分割すると、当面の相続税は少なくすることができます。
でも、配偶者の財産が多くなると、将来配偶者が亡くなった時の相続税がかかったり、重くなったりします。
(相続税のより高度なご相談事例はこちら。姉妹サイトkobayashisan.netへ移ります)
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